自分に嘘をつく

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それから クリスマスイヴの 前日まで オレは ファミレスには行かなかった いや、行けなかった 大学から出された 課題の量に苦戦して ファミレスにも 行く余裕がなかった いつもなら ファミレスで 課題をこなしていたが 『イヴ前日に提出しろ』 と言う 教授のスパルタ ホントなら一週間は かかってもおかしくない 量を ただ教授が 課題を出し忘れたのを "愛のムチ"と称して 今更出してきて オレは それに苦戦をして ようやく終わったのだ... ムチを打つのは 教授じゃなくて オレらが教授に対して だと思うが... まぁ今更、気にしても 意味はない... ―イヴ前日― 大学の授業が終わり 辺りが朱く染まる頃 オレはファミレスの いつもの 目立たない 席で夕食をとっていた 課題はなく 特にやる事もなく この間、先輩が言っていた 言葉の意味も考える事もやめ のんびりしていた 「......はぁ」 変なため息が 出てきた そんな時 店の奥から 上田が着替えを済ませて 出てきた 何だか元気がない様に 見えた そんな様子の上田が オレの元へやって来た...
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