自分に嘘をつく

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「でっ...でも、優太は?」 「オレか?」 上田は優しい子だ オレは寂しくイヴを 過ごせば良い お前は寂しい人間じゃない 「...オレは気にさず、楽しんで来いよ」 「先輩となら、"毎日"飽きずに一緒にいられるぞ」 「...でもさっ!私...先輩の輝き――」 「これは特訓だ...」 「あまりオレに甘えずに...頑張ってみろ...なっ?」 「.........」 黙って上田は 潤んだ目でオレを 見つめていた 「...オレは寂しいままで良い...これがオレの人生...」 「オレはそう思ってる...これ以上、望みはしない...」 割り切ってしまえば 楽なもの... 「...やっと分かった」 「...何を...だ?」 潤んだ目をしているが 強くしっかりと オレを見つめていた 「久しぶりに会ったばっかりの時...」 「私が言った事覚えてる?」 「...何?」 「『変わった気がする』って...」 「...そういえば...あったかもな...」 良く覚えてないが 確かに言っていた... あの時は その"変わったもの"が 分からず その話は終わった ハズ...
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