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30分程、2人は会話をしながらも作業を進めた。
「あとちょっとでできあがりだね、あんなちゃん!」
「うん。 ……っあ!!」
少年が手に力を入れすぎたのか、お城もどきが形を崩す。
「あぁっ!! ご、ごめんなさい、あんなちゃん」
「…ひっく。 うぅ」
少女が声を上げずに泣き出し始める。
少年はあたふたしながらも色々と声をかける。
「ごめんなさいっ!」
「これはこれでお城みたいだよっ?!」
「べろべろばー!!」
「俺の明日のおやつあげるから許してっ!」
しかしまったく効果はなく、少女は顔を俯かせて泣き続ける。
「あ、あんなちゃん!!」
少年が俯いた少女の肩を掴み、大声を上げる。
「うぅっ。 ……な、なぁに?」
少女が顔を上げ、涙を堪えながら返事をする。
「また、作り直そうよっ!」
「えぇっ? でも……」
「一回壊れたくらい、へっちゃらさ! 今度はこれよりもっと綺麗なのを作ればいいよっ!!」
「……じゃあ、はやとも手伝ってくれる?」
「もちろんだよっ!」
「……わかった。 もう一回作り直してみるっ!」
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