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気が付くと教室には俺と太郎しか残っていなかった。
皆、下校や部活動へ行ったのだろう。
「……柿崎の奴、可愛いのにめちゃくちゃ怖いよな」
太郎がポツリと呟く。
柿崎と言うのは、さっきの暴力女。
俺の幼馴染みだ。
名前は『柿崎杏奈』
似合わないしゴリラにでも改名したらどうだろうか。
「ゴリラとか。 柿崎にチクるぞ」
口から漏れてたのか。
てへりんこ☆
「やめr…やめてください」
「冗談だよ。 ほら、もう帰ろうぜ隼斗」
「ほいほい」
鞄を持って立ち上がる。
よし、準備完了。
「太郎、今日どっか寄り道しねぇ?」
「わりぃ。 今日は家の手伝いだ」
太郎の家は料亭をやっている。
だからなのだろう、定期的に太郎は家で仕事の手伝いをしている。
「なら仕方ないな。 今日は素直に帰るか」
「今度ジュース奢るわ」
家の手伝いをするたびに太郎は小遣いをもらっている。
だから俺よりはずっと金を持っている。
「三矢サイダー10本な!」
「ふざけんな!! 一本に決まってんだろうが!」
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