Prologue:『始まりの始まり』 1-1

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 少年は、幼くも力強い瞳でそれに応えた。 「よろしいっ」 「アレーン?置いてくわよー?」  ニカッと笑って立ち上がると、玄関から声が聞こえた。その声には若干の苛立ちが籠っている感じがした。 「そろそろ行かないと。後でなに言われるかわかんないし」  とは言っても既に文句を言われるのは確定しているので、後は程度の問題である。 「いってらっしゃい」  今度こそ駆け出した少年を、フェルナは我が子のように優しく見送った。 「……いらない心配だったかな」  一人残ったフェルナは、リビングでそう呟きながら少年のまっすぐな瞳を思い出し、 「ホント、どっちにもそっくりよね」  親友達の顔を頭に思い描きながら、上機嫌に家事を再開した。  
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