Prologue:『始まりの始まり』 1-1

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 さらに、二つの神様たちはエルスペロの生命の力を少しでも取り戻す為に、力は弱いけれど賢い知恵を持った『人間』という新しい生命を創り、ほんの一握りの者たちに加護を与えて世界を繁栄させるように言い、精霊の王たちにそれを見守らせました。  そして多くの力を使った神様たちは、いくつかの種族と共に滅んだ世界を支える為に去っていったのでした。  そうやって生き残った世界は、神様たちの加護を授かった数少ない人々の力と、その他の多くの人々の知恵によって、少しずつ繁栄していきました。  しかし、長い時が経ったある日、突然大きな地震と共に大陸が五つに分かれてしまいました。世界を分けた時の力に耐えられなかったのです。  火山が噴火し、海が荒れ、大雨が降ったかと思えば、何日も暑い日が続きました。そして、急に変わった土地や気候に耐えられず多くの生命が失われ、それでも生き残った生命たちは、それぞれが住みやすい土地へ移っていきました。  かつてエルスペロを任された精霊の王たちは、神様の加護を授かった人々を多く失い絶望していた人間を不憫に思い、生き残る為に精霊の加護を授け、再び世界を繁栄させるように言いました。  生き残った人々は精霊たちを敬い、感謝の気持ちを込めて、五つの大陸に精霊たちの神殿を造りました。  そしてそこで、いつの日か世界が元に戻ることを祈りつつ、再び世界を繁栄に導いていくのでした――
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