第二章 prologue:『罪』

2/2

236人が本棚に入れています
本棚に追加
/760ページ
  『――担架を! 早く!!』 『しっかりして! あぁ、なんてこと……!』  ――大勢の人が、騒いでいる。 『うぅ……痛い、痛いよぉ……』  ――担架で運ばれながら、血塗れの男の子が呻いていた。 『お、俺たちのせいじゃ……!』 『からかってただけなんだ! そしたらあいつが!』  ――大人達に向かって叫んでいた男の子達が、瞳に恐怖を宿しながら指差した。 『あいつ?』  ――そこに在った全ての瞳が、指先を辿ってこちらを見た。途端に、みなが口を揃えてこう言った。 『この、化け物め!』  
/760ページ

最初のコメントを投稿しよう!

236人が本棚に入れています
本棚に追加