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慌てるアレンから顔を背け、顔が赤くなっていないことを祈りつつ話の続きを促した。
「それで、どういうことなの?仕方ないから聞いてあげる」
その様子にフェルナは素直じゃないなと苦笑しつつ、同時にそこら辺は完全に父親に似たのだと確信して、もう少し素直になって欲しかったなぁ、と内心で肩を落とす。しかし、これはこれで面白いから良いやと一人で納得した。
「この世界には大きく分けて六つの属性の精霊達がいる、ってのは学校で習ったわよね?」
アレンとシャルは揃って頷いた。それは基礎学院の一年生で習ったことなので、既に四年生の二人は当然知っていた。
フェルナはテーブルの椅子に腰掛けると、紙とペンで図を描き始める。
「六つの属性には相性と眷属(けんぞく)っていうものがあって、相性は、四大元素の火、風、地、水を円にして考えると、火は風に強く、風は地に強く、地は水に強く、水は火に強いっていう風になるの。もっともただの原則であって、実際は相性の悪い属性でもより強い魔法を使えば克服はできるんだけど」
「光と闇は?」
「光と闇はお互いが同じくらい強いんだけど、この二つは特別。何でだと思う?」
言ったところで二人は視線を下に向けて考える。が、答えは出ないので視線を戻した。
「ホントのところを言うと、大本(おおもと)の属性はこの二つだけなのよ。光は聖の神、闇は魔の神から創られて、そこから四大元素、さらにその下に森や氷みたいな派生属性が生まれたの」
「魔の神って魔物の神のことでしょ?」
と、シャルが顔を顰(しか)めた。
「そうだけど、魔っていうのは別に邪悪って事じゃないの。魔物にも色々いて、確かに知能の低い魔物は人を襲う事が多いけど、ドラゴンみたいな人よりも優れた知能を持った魔物もいるし、ドワーフなんかは今でも街に自分達が作った物を売りにくるのよ?それこそ、世界が一つだった頃は全ての生き物が共存してたんだし」
「へぇー」
アレンは今まで知らなかった事柄を知ることで未知の世界が広がっていくのを感じて、なんだか楽しくなってきていた。
「それじゃあ本題ね。さっきも言ったけど、元々は光と闇しかなくてそこから他の属性が生まれたわけだけど、光と闇の精霊王達はそれぞれが四大元素を二つずつ生み出して、自分の下に置いたの。これが眷属ね」
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