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葵「…あれが、……から……で…、……うん…」
カチャカチャと食器を洗いながら何やらブツブツと呟いている葵。
「葵ちゃん!」
葵「ぅぎゃあぉ!?」
考え事をしていた上に、突然肩に手を置かれ、あたしはびっくりしてものすごい奇声を上げてしまった。
まぁ、洗いもんしてる時に来る人なんか…
総「ははは、すごい声。そんなに驚いた?」
総司以外におらんよな、うん。
葵「あたりまえやろ!!危うく皿落としてまうとこやわ!!」
割るわけにはいかへん。土方さんに殺される。
総「危ないとこだったね」
葵「誰のせいやコラ」
全く悪びれずニコニコ笑う総司に、あたしは思わず突っ込んだ。
葵「…で、何か話でもあるん?」
食器を洗う手を止めず、あたしは総司に尋ねた。
総司のことだから、手伝いに来たというわけではないだろう。
総「いや、ただ葵ちゃんに会いに来たんだ」
葵「へぇ…、暇なんか」
さらっと凄いことを言ったのに、葵には届かなかったようだ。
総「…葵ちゃん、君ってものすごい鈍感だって言われない?」
葵「………」
確かに、前に香織に言われたことあった気ぃする…。
総「言われたことはあるけど、自覚は無いみたいだね」
葵「…あたしって、鈍感?」
反射神経とか、結構ええと思っててんけど…。ショックや…。
見るからにへこんでいる葵を見て、総司は声を上げて笑う。
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