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放課後の人が疎らな廊下を、1人の女子生徒が走っていた。
肩より少し長いくらいの色素の薄い髪に、パッチリした目、中性的ではあるが女よりの顔立ち、
いわゆる美人な感じである。
そして一応主人公である。
どうも、舞月 葵(マツキ アオイ)です。あたし今急いでます。
ほんまあの担任!!なんで今日に限って…
――ガラガラガラッ!!!!
葵「先生ぇぇぇ!!ほい日誌!!」
「おっ、舞月か~悪かったなぁ~。さよなら~」
葵「ほんまやで!!さいなら!!」
くっそ、何で掃除当番と日直かぶらしてくれとんねん!!!!
心の中で超悪態をつきながら日誌を書いてやった。字はもちろん殴り書きだ(許容範囲)。
校舎を飛び出して、自転車置き場へ走る。
かごに鞄を投げ入れ、自転車に乗ろうとしたら、あたしを呼ぶ声がした。
「葵ー!!今日な~うちらカラオケ行くんやけど、葵も行かへんー?」
話しかけてきたのは同じクラスで幼なじみの仲山 香織(ナカヤマ カオリ)。
家が近くてちっさい頃から仲良い子やねんなぁ。
彼女のイケメンレーダーには狂いは無い(眼鏡に若干の偏り有)。
葵「ごめん!!今日…ってかずっと行けへんな…、毎回誘ってくれてありがとぉ!!んじゃバイバイ!!!!」
毎回誘ってくれて、毎回断ってるのに、嫌な顔1つせず接してくれる優しい子。
まぁ、うちん家の事情をよぉ知ってるからやろうけど…
香「また明日ね~!!」
明るい笑顔に地味に救われたりも…してなくもない。
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