4616人が本棚に入れています
本棚に追加
/339ページ
「ってか葵ってホンマ勿体ないと思わへん?」
「あぁ~それわかる!」
いつの間にか、話の話題は葵についてになった。
「なんで~?」
「だって、葵って見た目も可愛いし性格もえぇやん!」
「せやのに…恋愛に興味ないって言うし!」
「しかも変に男前やし!!…うち、1回きゅんっ☆としたことある」
「何その暴露!!」
同性までも惚れさせるのかアイツは。
香「葵の好きなタイプは“自分より強くて包容力のある人”やからなぁ~」
前にしつこく食い下がって、やっと答えてくれたことを話す。
「葵より強い人とか範囲せまっ!!プラス包容力!?」
「おらんて!!そんな人おらん!!」
ギャーギャーと騒ぎながら歩いていると、目の前に真っ白な猫が物陰から現れた。
香「うわっ!!この猫めっちゃ綺麗やん!!」
真っ白な毛並みは、全てを惹き付けるような存在感をかもしだしている。
「可愛い~!!おいでおいでっ!!」
〔……〕
猫はこちらをじっと見たまま、動かない。
そして私達が近づいていくとスッとどこかへ行ってしまった。
香「……」
「あ~行っちゃった~」
「うちらもカラオケ行こ~」
そう言って皆は歩き出していく。
なんか、嫌な予感がする。
なんでやろう…
「香織ー?何してんの~?早よ行こよー」
香「あ、うん…」
そう答えたものの、猫が歩いて行ったところから、目が話せないでいた。
香「…葵…?」
あれ…なんで今、葵の名前…
香「変やな、自分」
あまり深く考えずに、私は皆のところへかけて行った。
.
最初のコメントを投稿しよう!