不思議な出会い

5/10

4616人が本棚に入れています
本棚に追加
/339ページ
――葵Side― 葵「いやぁぁ!!間に合わん!!これ絶対間に合わーーん!!」 計算ではイケるはずやったのに!! まさかの信号という罠!!!! あたしは近道として細い裏道に入った。こっちの道の方が早く着ける気がしたからである。 自転車を激走させていると、スッと真っ白な猫が目の前に現れた。 葵「っうわあ!!!?」 あたしは慌ててハンドルをきる。 葵「あ」 バランスを崩したあたしに待っているもの、 それはTHE☆地面(キラッ) ――やっば…倒れ…っ― すると、スルリとあたしと地面の間に、さっきの猫が入り込んできた。 葵「猫っ!?危な…っ!!!!」 あたしが転けるまでのあの短い時間で、その猫と目が合った。 とても、とても綺麗な紅。 一瞬にして目を奪われた。2つの紅い瞳に。 葵「キレ…」 ガシャーーーン!!! 葵「ったぁー!!」 転けた。見事に転けた。 自分…何してんの…。いくら綺麗やからって…転けてる最中に見入ってどないすんねん…。 そして1人ぶつぶつ呟いていた。 葵「…!」 ふと気配を感じて顔を上げると、綺麗な紅の目。 猫があたしの額に顔を近付けていた。 葵「――?」 〔お前…なかなかいい眼をしてるな…〕 頭の中に、直接声が響く。 葵「…まさか、猫ちゃんの声?」 .
/339ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4616人が本棚に入れています
本棚に追加