着任式

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朝7時。 心の中で『いってきます』と気合いを入れて、玄関を後にした。 修吾が向かうのは車で30分ほどの竹川町立竹川小学校だ。 近年の市町村合併には加わらず、町のままを貫いたが、さして豊かな町でもなく、1学年2クラスずつの小規模な学校だ。 車で30分ほどのところにアパートを借りたのは、ある程度お店がそろった便利なところに住みたいことと、あまり学校と近くてプライバシーのない生活をするのは嫌だという思いがあったからだ。 と、いうのは、修吾にはまだ大学2年生の彼女がいた。 修吾の彼女は、同じ大学の後輩だ。彼女も同じ教育学部。修吾が大学4年生の時に、修吾が所属するサークルに入って来た。 修吾は地元の大学を出たので、大学までは1時間弱。彼女は春休み中だが、アルバイトをしているので、大学の近くのアパートに住んでいる。
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