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さぁ俺は今、冥王とやらの部屋の前にいるんだが嫌な雰囲気が出てる。
なんかこの部屋に入ったら面倒事に巻き込まれる気がしてならないが、気のせいだと信じたい。
「さぁ棗さん!入ってください!」
リィスが意気揚々と扉を開ける。その中には大きな椅子に座っている、これまた大きな白髭のおっさんがいた。
「なぁ幼女、あのおっさんが冥王?なんか想像通りすぎてつまらないんだけど。」
リィスに耳打ちした
「おい聞こえとるぞ、そこの少年。」
…つもりだったけど、聞こえていたらしい。おっさんの癖に耳良いのかよ。
「ついでに言えば、心も読めるぞ?…と、まぁこんな話はどうでもよい。お主、我に何か聞きたいことはないか?」
うわ、こいつら同じ質問してきやがった。必ず聞く決まりでもあるのか、これ。
「なんで俺を呼んだ?意味は?」
「リィスに聞いとらんのか?」
「相性がいいとか云々ってやつか?それしか聞いてないんだけど、とりあえず俺いつ帰れんの?」
「お主は帰れんよ?この世界の名前は死界じゃぞ?来るべき者しか来れぬ世界じゃ。」
「な――」
ふと横を見ると嫌な汗をダラダラ流すリィスの姿があった。
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