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「は?え?…まじで?」
「なんじゃ、何も知らずにここへ来てしまったのか。それは申し訳ないことをしてしまったな。」
一気に力が抜ける。今の俺たぶん真っ白だ。
「その、ごめんなさい!棗さん!どうしても棗さんに来ていただきたくて…。」
「その口振りだと、分かってて連れてきたって事だよな。」
「…はい。本当にごめんなさい!」
涙を浮かべるリィスの頬にそっと手を伸ばす。
「…許してくれるんですか?」
顔を上げるリィス。
微笑む俺。
「棗さ――いひゃい!いひゃいでふ!!はなひてくらはい!」
「よくもやってくれやがったなこのクソ幼女ぉぉぉお!なんだ、俺死んでんのか!お前がやったのか?あの時の鎌で殺ったのか?ああ?」
「おい少年、お主は勘違いしておるぞ?お主は死んだ訳ではない。」
「へ?」
頬を持ったままおっさんの方に振り向く。
「現世には戻れんがな、お主には今から異世界へ飛んでもらう。そこでの役割を果たしリィスを一人前にしてもらう。そしてそれが出来ればリィスの一生の伴侶になってもらい、この死界で総ての世界の均衡を図る、所謂神という存在に成る事ができるのじゃ。」
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