プロローグ

6/9
前へ
/68ページ
次へ
「もう清々しい程の態度の変わりようですね、さすがの私も若干引いちゃいましたよ。」 はぁ…とため息をつくリィス。 「まぁ来てくれる決断をしてくれて良かったです。これで殺さずにすみました。」 あっぶねぇ~…。 何、俺今生きるか死ぬかの瀬戸際だったんだ。 「まぁいいや、それに現世に戻ってこれるんだろ?」 「………さぁ!逝ってみましょうか!」 そう言ってどこから取り出したのか、リィスの背丈の倍はあるだろう大鎌を振り上げる。 「逝きますよ!棗さん!」 刹那、降り下ろされる大鎌。 「ちょっとまっ―――」 俺が最後に見た光景は胸元に深く突き刺さる大鎌だった。 目が覚めると目の前にリィスの顔がある。 「あ、やっと起きましたね。おはようございます!二度目の挨拶ですね、エヘッ!」 俺は今仰向けで寝ている。前にはリィスの顔。後頭部に伝わる柔らかく暖かい感触。 どう考えても膝枕ですね、本当にご馳走様です。
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

353人が本棚に入れています
本棚に追加