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原田さんは僕を見て笑うと、僕の手を取って駆け出した。
「よし!逃げるぞ!」
『っぇぇええ!?』
「原田を捕まえろー!」
「おい、嬢ちゃんに当てるなよ!」
「てめぇら!せめて隊服脱いでけ馬鹿!!」
その後は原田さんと手を繋いで、京の町を走った。
みんなが諦めるまで、ずっと二人で逃げて。
京の町で鬼ごっこしてるみたいで、すごく楽しかった。
途中原田さんが寒いからと上掛けをかしてくれて、僕はあたたかかったけれど、そのせいで翌日、原田さんが風邪をひいてしまった。
『原田さん、失礼します』
「…おう」
『お加減どうですか?お粥作ってきましたよ』
「…さんきゅ」
『あれ、また英語教わったんですか?』
「ああ、少しでもお前に近付きたいから」
『原田さん、十分近いですよ。………体が』
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