5人が本棚に入れています
本棚に追加
◆目覚まし時計の音がする。
閉まりきっていないカーテンの隙間から、朝日が顔にあたってとてもまぶしい。
俺、世渡英士(ヨワタリエイジ)15歳♂はどこにでもいる普通の高校生だ。
これといって、飛び抜けた才能はないが、運動も勉強も人並み以上にできているつもりだ。
中の上、上の下といったところか…。
それに、よく本を読む。
ジャンルは、推理小説、SF小説、ミステリー、ホラー…。
まあ、とにかく沢山。
俺は、ぼーっと部屋の一角を見つめて、さっきみた夢のことについて考えていた。
世間では夢占いなどあるらしいが、俺はあまり信じてない。
だが、さっきの夢は気にかかる。
どうしてか胸騒ぎがする。
「あの少年は、あの少年は……ん?少年?」
思い出せない。大事な部分がすっぽり抜けて、でてこない。
一生懸命考えてもでてこないのは、むしゃくしゃする。
俺は未だに鳴り響く、目覚まし時計のスイッチをとめた。
最初のコメントを投稿しよう!