日常

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◆目覚まし時計の音がする。 閉まりきっていないカーテンの隙間から、朝日が顔にあたってとてもまぶしい。 俺、世渡英士(ヨワタリエイジ)15歳♂はどこにでもいる普通の高校生だ。 これといって、飛び抜けた才能はないが、運動も勉強も人並み以上にできているつもりだ。 中の上、上の下といったところか…。 それに、よく本を読む。 ジャンルは、推理小説、SF小説、ミステリー、ホラー…。 まあ、とにかく沢山。 俺は、ぼーっと部屋の一角を見つめて、さっきみた夢のことについて考えていた。 世間では夢占いなどあるらしいが、俺はあまり信じてない。 だが、さっきの夢は気にかかる。 どうしてか胸騒ぎがする。 「あの少年は、あの少年は……ん?少年?」 思い出せない。大事な部分がすっぽり抜けて、でてこない。 一生懸命考えてもでてこないのは、むしゃくしゃする。 俺は未だに鳴り響く、目覚まし時計のスイッチをとめた。
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