1 アウトサイド

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「……ショウ」 「おう、って・・・・・・大丈夫なのか?お前」 傷だらけの顔を見て思ったのか、先程の無様な試合を見て思ったのか、ショウは心の底からアキへの気遣いを見せる。 「晩御飯は食えそうに無いけど、傷なら心配無い。もっとも、俺はこんな姿で寮に戻るのが苦痛だよ」 なんとか前髪で額に出来た瘤を隠せないものかと撫でつけるが、アキの前髪ではいささか長さが足りないようだった。 「っははは……。皆なんとか分かってくれるさ。銃砲科や抗術科の奴らだってお前の怪我をからかう程鬼畜じゃねえって」 ショウの慰めが入った苦笑いが心にしみる。 「でもよー。グレッグのヤツもそこまで模範的ってかそんな美しい戦い方じゃ無かったぜ?力任せにブン回してさ。ネアンデルタール人が棍棒振りまわしてるみたいだったぜ。アキもそう思ったろ?」 どーしてあんな奴が模範生なんだよ……と言う具合に、ショウは首を傾げる。 「教官もグレッグも両方原始人みたいじゃねーか。おんなじ脳筋同士で気が合うんだよ。あいつら、自分でクソクソ言う割には、自分たちがクソっ垂れって事に気付いてない」 悪意と嫌悪感を渾身に込めて言う。 「ああ!それ『バカって言った方がバカ』理論だろ?傑作だぜ!ああもう明日から訓練が原始時代だぜ……ハハハ!」
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