1 アウトサイド

6/14
前へ
/85ページ
次へ
バカバカしくも、心の底から笑える会話。そんなこんなで寮の部屋に帰ってくる。 寮は縦長の4階構造の建物が二つ、男女ごとに渡り廊下で繋がっている造りで、上から一年、二年、三年、四年と学年ごとに部屋が分かれており、更に階ごとに、銃砲科、抗魔術科、接撃科と、部屋が分かれている。各階には談話室が設置されており、訓練生たちの娯楽の場となっている。 部屋は二人一組で使用する事になっており、アキのルームメイトはショウと言う事になっていた。多少のいざこざはあるものの、お互いを尊重し、良い暮らしを保っている。 「俺は風呂入って来るけど、アキはどうする?一緒に来るか?」 「俺は消灯時間前にこっそり入るよ。今日は恥ずかしくて何処にも行きたくない……、あっ、風呂行くんだったらついでに牛乳買ってきてくれ」 ポケットから百円を取り出しショウに放り投げる。 「よっと……。シャイだなぁ。そんなんじゃモテないぜ?」 百円を上手くキャッチするとショウは言った。 「大きなお世話だ。早く行けよ」 「へいへい」 やれやれと言った身振りで、ショウはドアを開け、浴場へ向かった。 「……さて」 ベッドの下から救急箱を取り出し、中から消毒液と軟膏を探す。
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加