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バカバカしくも、心の底から笑える会話。そんなこんなで寮の部屋に帰ってくる。
寮は縦長の4階構造の建物が二つ、男女ごとに渡り廊下で繋がっている造りで、上から一年、二年、三年、四年と学年ごとに部屋が分かれており、更に階ごとに、銃砲科、抗魔術科、接撃科と、部屋が分かれている。各階には談話室が設置されており、訓練生たちの娯楽の場となっている。
部屋は二人一組で使用する事になっており、アキのルームメイトはショウと言う事になっていた。多少のいざこざはあるものの、お互いを尊重し、良い暮らしを保っている。
「俺は風呂入って来るけど、アキはどうする?一緒に来るか?」
「俺は消灯時間前にこっそり入るよ。今日は恥ずかしくて何処にも行きたくない……、あっ、風呂行くんだったらついでに牛乳買ってきてくれ」
ポケットから百円を取り出しショウに放り投げる。
「よっと……。シャイだなぁ。そんなんじゃモテないぜ?」
百円を上手くキャッチするとショウは言った。
「大きなお世話だ。早く行けよ」
「へいへい」
やれやれと言った身振りで、ショウはドアを開け、浴場へ向かった。
「……さて」
ベッドの下から救急箱を取り出し、中から消毒液と軟膏を探す。
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