1 アウトサイド

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訓練用の制服を脱ぐと、ところどころに痣や擦り傷が出来ていた。一応、毎日のように訓練をしているのだから怪我との付き合いは日常茶飯事ではあるが、ここまで傷が増えるのも珍しい。あまり酷い様であれば医務室で診てもらわなければいけないだろう。 「ってててて……」 消毒液が傷口に浸みる。いつになったらこのマキロンとやらは進化を見せるのだろうかと思いながら、裸になった上半身を鏡で見る。背中と腹に大きな痣が出来ている以外は特に目立つ傷も無く安堵する。 「……多少は、筋肉付いたかな」 入学時は全くの痩せっぽちだったアキだが、最近ではガタイも良くなってきたと自負していた。肩幅は少なくとも増えたであろう。 「……ま、あんなシゴキに耐えて来たんだ。成長してくんなきゃ俺の体がおかしいよ」 鏡で眺めていると、若干ながらナルシスティックな気分になり、調子に乗ってポーズをとってみたりする。腹筋が割れ始めたのが嬉しい。 と、そこに。 「アサクラくーん?入るよー」 ノックと共に女子訓練生の可愛げな声。 「ままままちょっ待………っ」 普通、ノックしてから返事を聞く物だが、あろう事は彼女は直ぐに部屋に突入してくる勢いだ。上半身裸のままじゃ絶対にマズイ。幾ら自室だからといって絶対に倫理的な意味でマズイ。
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