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庄司くんは、わたしの耳元に口を寄せた。
「言う事聞かないと、ばらすよ。…お前が、ドMだってこと。」
くらくらする頭に、その言葉がじわりと染み込んでくる。
「お前は、俺のオモチャ。…飼い主の命令は、絶対だかんね。…OK?」
私は、ぼんやりと庄司くんの顔を見つめた。
「…すげ、…エロい顔。」
庄司くんはごくりと唾を飲み込んで、私の制服のリボンを引っ張って、解いた。
ブラウスのボタンを慣れた手つきで途中まで外すと、目を輝かせながら、細い鎖を私の首と髪の間に通す。
ヒヤリ、と冷たい感触に鳥肌が立ち、私は震えた。
庄司くんは鎖を二重に巻きつけると、ポケットから小さな南京錠を取り出し、カチャ、と施錠した。
「これで、俺からは逃げらんないって事で。…なんか、いいねぇ、これ。」
わたしは、自分の胸もとを見下ろした。
胸の谷間にかかる、銀色の鎖。…冷たい、小さな南京錠。
肌が、ほんのりと紅く染まっている。
「…お前は、俺のモノ。
…言ってみてよ。」
私は、じわじわと身体の奥に広がり始める、小さな炎を自覚していた。
「私は…庄司くんのもの…。」
「…そう。
…この鍵がないと、お前は絶対に、自由になれない。」
庄司くんは、私の目の前に、小さな鍵を見せつけた。
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