第31章

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翌日の体育の時間、私は課外教室の並ぶ、人気のない女子トイレで一人、着替えをした。 ブラを外し、キャミの上に体育着を着て、鏡に向かう。 頬を染め、うっとりとした、恍惚の表情。 他人のオモチャになった自分の姿が、そこにあった。 こちら側に向かって歩きはじめたら、…きっと私はもう、引き返すことはできない。 汚れて行く自分が、春山くんのいるところから、さらに遥か、遠のいて行くような気がして、…わたしは、ほんの少しだけ、哀しくなった。 .
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