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久し振りに仕事を休んでしまったけど、事情を社長に話すと社長は怒らずに一言。
「可哀想に…。辛かったな」
社長はかなりクールと言うか容赦ない人だったのだけど、この時に初めて同情された。
別に同情されたいとも思わないけど、社長が情を出した事には少し驚いた。
「ゴールデンウィークには気晴らしに東京に来なさい。飯でも食うか。」
更に私は呆気に取られた。
心配されてるよ(・・;)あの極悪非道…あっ!イヤ、あのクールな社長に。
まぁ、元々就職前は普通にご飯を食べに連れてってくれるいい兄ちゃん的存在だった社長だったけど、就職してからは内弁慶な性格を大いに発揮して、社員を振り回してくれていた。
警察に御世話になって、1~2ヶ月社長不在のまま営業を続けたり、後々にはマルサに入られ、私は税務署に軟禁された事もあるんだけど…(_´Д`)ノ
そんなワンマンでイケイケのシャチョサ~ン(外国人風)にそこまで心配される事に驚いて、この状況がそれだけ悲惨な事なのかと改めて切なくなった。
そして、私は旅費も宿泊費も全部社長に出して貰って、逃げるように東京に向かった。
一時でも忘れたい。こんな現実。
そう思っていた。
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