231人が本棚に入れています
本棚に追加
/100ページ
「雅雪君。私、楓って言うの。」
雅雪君が上目遣いでこちらを見る。
「聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
「・・・・・・。」
口に任せて適当なことを言いながら、雅雪君が興味のあることを探る。
「雅雪君は何が好き?私は本と格闘技が好きなの。」
「・・・・・・。」
無理があるか・・・・・・。
付き添いできた施設の人も、どうしたらいいのか分からず苦笑いしている。
こうなったらちょっと早いけど奥の手。
袖を捲って腕を見せる。
「雅雪君。私の腕、そんなに太くはないでしょ。けど、結構力持ちなのよ。」
そう言うと、私はおもむろに雅雪君に近づき、手を差し出した。
最初のコメントを投稿しよう!