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十分程待った後、ブツッという音がした
【大変お待たせいたしました。どうぞお入り下さいませ】
そう言ってすぐ、大きな門が音も無くゆったりと開き始めた
「じゃ、行くか」
「そうだね」
俺達は屋敷の方へ向かって歩き出した
「しっかしデカい家だよなぁ………まさにセレブリティって感じだ」
「セレブリティセブンティーン?」
「それは………合ってるけど違うんじゃね?」
雑談していたら玄関が見えてきた
「ようこそお越し下さいました。お嬢様がお待ちですので、どうぞ中へ」
「あ、はい」
執事服を着た初老の男性は、俺達に背を向けて歩き出した
「………なあ、この人って、明らかに執事だよな?」
「そうだね」
「いや、まあ、予想はしてたんだけども………まさか本当に執事を雇ってる人間が居るとは………」
「それがセレブリティなんでしょ」
「………紗英………恐ろしい娘………っ!」
「まあ本当に恐ろしいのはご両親だろうけどね」
「こちらでございます」
執事さんは『紗英』と書かれた札が貼ってあるドアの前で立ち止まり、頭を下げていた
「………ここか」
「いや、そんな魔王の城に着いたみたいな言い方しなくても………」
俺的には魔王の城より恐ろしい
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