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「お、おい!私は大丈夫だと-----」
「風邪舐めんな!いいから大人しく寝てろ!さもなくば我が暗黒の力によって貴様の息の根を止め………」
「………え?」
「え?」
「あ、いや、エフんエフん!とりあえず、俺達はもう帰るわ。ごめん、辛いのに押し掛けちまって」
「いや、だから、気にする程のものでは………」
「はいはい、分かったから、ね?………田端の言うとおり今日は安静にしていた方がいいよ。顔がまだまだ赤いし、私達が来たときより熱も少し上がってきたでしょ?」
「………別に」
紗英が口を尖らせ、拗ねたように言った
「………ちゃんと休まないと、学校だって来られないんだよ?今は病気を治す事に専念しなさい」
そう告げる下田の口調はまるで母親の様だった
「………分かった」
「うん、良い子だね。じゃ、また学校で会おうね」
下田が別れを告げるのを皮切りに、俺達は紗英の部屋を出た
「………今日来たのは失敗だったかもなぁ…」
「え?なんで?」
「いや、だって、紗英に少し無理させちまったし………1日寝てんだから、もう治ってるだろうとか勝手に思い込んで来た俺ってクソだな………と、思ってな」
「んー、そんなに気にすること無いよ。だいじょぶだいじょぶ」
「………ホントか?」
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