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「さ、早く用事を済ませてきて下さい」
「用事って?………ああ、携帯か。でも、携帯なら執事さんが取ってきてくれれば」
「駄目です。男なら自らの手で掴み取らねばなりません!さあ思い立ったらすぐ行動です!」
「はあ………」
「ほら、背筋を伸ばして!髪を整えて!レッツゴーです!」
「うわ、ちょ、待っ」
執事さんに強引に紗英の部屋まで連れて行かれた
本当にこの人は強引だなぁ………と言うか外見の割に元気なんだよ
「さあ、早く」
「わ、分かりましたよ」
俺は扉を二回ノックした
『なんだ!今私は神を光臨するのに忙しい!話があるのなら後で聞いて』
「あの………田端だけど」
中からドデンッゴロゴロガンっという音がした
『な、なんだっ?まだ帰ってなかったのかっ?』
うん、とても元気そうな声に聞こえるな。先程までの咳は外国にでも高飛びしたのかな?
「では、私はこれにて」
「え?」
気が付いた時には執事さんは忽然と姿を消していた。忍者かあの人は
『な、なんだ?いきなり黙ってどうした?』
「ああ、いや、なんでもないから。それより、入っていいか?」
『ま、まあ、良かろう』
お許しが出たので部屋に入った
紗英は相変わらずパジャマのままベッドに座っていたが、さっきより髪がクシャクシャになっていた
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