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「………で?ど、どうした?なぜ戻ってきたのだ?と言うかいつから扉の前に居た?」
「あー、いや、さっき携帯を落とした事に気付いたので、今取りに戻ってきました」
「な、なんだ………なら良いのだ、うん」
紗英は執拗にうん、うん、と首を縦に振った
「………つうか?紗英さーん?俺、さっき大人しく寝てろって言わなかったっけかなー?うん?………なんで起きてる?」
「え、あ、いや、その、うぇ?」
紗英は超テンパっていた
「ふ、ふん!べ、別に起きていたからって田端に気にしてもらう必要なんてないわ!」
「ふうん。そうかぁ………」
「な、なんだ?その何か企むような顔は?」
「紗英」
「な、なんだ?」
「………髪、クシャクシャだぞ」
「え?あ………ま、まあ、寝ていたからな…」
「整えてやる」
「へ?と、整える!?」
紗英をくるりと回して後ろを向かせ、俺はベッドに近づきクシを手に持った
「あんまりグルーミングは上手くはないから、痛かったりしたら言えよ?」
「ちょ、ちょっと、別に頼んでな」
「じゃ、やるぞー」
俺は強引に紗英の髪を梳き始めた
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