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「まあ、細かい事は気にしないで。さっさと帰りましょ?」
「いや、俺的には細かくないんだが………」
「気にしない方が身のためだ」
「………酷かったね」
「ちょ、瀬野さん?何?何が酷かったの?」
「ん?………何………が?」
「誤魔化しよった………」
「いいからぁ………さっさと帰ろうよ」
「分かったよ………教室から荷物取ってくる」
「あ、すまん。荷物を持ってくるの忘れてた」
「気にすんなって。ちゃっちゃと取ってくるからみんな先歩いててよ」
「うん、分かった」
ひとまずみんなと別れて、俺は一人教室へ向かった
「うわ………保健室だとカーテン閉まってて分からなかったけど、やっぱりもう放課後なんだな」
窓の外は夕暮れの赤に染まっていた
「こりゃあ早く鞄取ってこないと………暗くなっちまうな」
俺は廊下を走った
目的の二年C組が見えてきたのでスピードダウン。教室の扉の前で大きく息を吸い、思いっきりドアを開けて叫んだ
「セリヌンティウゥウゥゥウゥゥゥス!」
ガタッと音を立てて誰かが席から立ち上がった
「………っ!~~~っ!-----っ!」
声にならない叫びを上げてるようだが、声になっていないので金魚の様に口をパクパクとさせてる様にしか見えなかった
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