はじめまして

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女性は部屋へと戻り、ベッドに腰掛けていた。 ―コンッ、コン 『はい、』 ―ガラッ 「やぁ、こんにちは」 部屋に入ってきたのは、朝の時とは違う男だった。 「今日も変わりはないかい?」 『……先生、』 「ん?」 『私……今日、告白されたの』 「告白?」 『男の人に。“好き”って、“愛してる”って』 「へぇ…」 『その人、樹さんっていう人なの。私の大好きな蘭の花束をくれたの。そうしたら、“好き”って言って……』 「ほぉ…」 『ね、先生。そのあとにその人、私になんて言ったと思う?』 「なんて言ったんだい?」 『“これから先も、貴女を愛し続けてもいいでしょうか”ですって……』 「それは素敵な言葉だね」 『とても真っ直ぐな目で言ってた……初めて会った人なのに、どうしてだろ…まるで私、前からその人のこと知ってるみたいで……』 「……そうか」 そう言って男は、窓へと顔をやった。 外は、夕焼けが輝いていた。
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