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“はじめまして”
本当ははじめましてじゃないんだ
でも君は何も知らない
君は何もわからない
実は昨日もはじめましてと言った
でも、君は覚えていない
君が蘭の花が好きと言ったことも
僕と君が恋人同士だってことも
僕が誰かということも、
何度言っても、何度説明しても、
君は覚えていない
いや、覚えられないんだ
でも、僕はかまわない
君が覚えてなくたっていい
君が覚えていないなら
僕は何度でも君に告白をしよう
いつでも君の大好きな花を、
君と同じ名前の花を持って
君に“愛してる”と言おう
何回言ったかなんて分からない
でも、
何回でも僕は言うよ
だって、
僕はいつまでも君のこと………
そんな思いを胸に抱いて
僕は今日も君に言う
「はじめまして、」
(完)
→あとがき
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