幼馴染み

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あいつとはいわゆる『腐れ縁』ってやつで、幼稚園から高校生の現在までずっと同じ学校、同じクラスだった。 幼馴染みで、小さい頃からずっと一緒だったから、なんか異性だってことを忘れることだってあった。 男勝りで、スポーツ万能。 頭は俺とあんまり変わらないくらい。つまり悪い。 すごく気があって、一緒にいたらいつも笑ってた。 鈴華って名前とは無縁なくらいに、時には俺より男らしいこともあった。 「陽人(はると)~おはよ~う!」 鈴華の声だ。 俺の通学はいつもここから始まる。 朝の澄んだ空気を走るように、軽快で、でも力強い声。 肩までの髪を風になびかせて、鈴華(れいか)は自転車を走らせる。 「おう。」 いつからか照れ臭くなって、俺は小さく手をあげるだけになった。 そんな俺に鈴華は「昔は手、つないでくれてたのにね♪」なんて微笑みかけた。 俺はそのとき、まともに顔さえ見れなかった。 気付いたら俺は、鈴華を異性として見ているときがあった。
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