不埒な純情Ⅱ

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「……お前もしてぇの?」 兄ちゃんのポツリとした質問に今度は義兄ちゃんが固まった… 「…はぁ?…ち、違ぇよっ。」 「甘いの、キライか?」 「嫌いじゃないけど…っ、」 「じゃあ、いいじゃん。」 「……何がっ、」 「チューしても。おいらはシたい。」 「…そんな理由でっ、」 「キス…、したくねぇの?」 指を濡れた唇に当てて義兄ちゃんを見上げる。目が…物欲しそうに潤む。 ゴクン、て義兄ちゃんが生唾を飲む。 くふふっ、動揺してんじゃーん。兄ちゃんには弱いの俺でも分かるよ。 お互いに見つめ合っちゃって…兄ちゃんのそんな顔見たことない…ズルいよね。 でも、今は昼下がりだから誰にもゆずらない…… 俺は兄ちゃんに抱きつく。こういう時、俺は自分が空気読めないって言われてて良かったと思うの。 「そりゃ、したいに決まってんじゃん。ねー?兄ちゃんっ。」 「……ん、」 ちょっと間を置いてうなずいた。今はいいよ、それで。でも、いつかは夢は叶うって信じてる。 抱き寄せて兄ちゃんの肩に頭のっけて、ミルクみたいな甘い匂いを嗅ぐ。 兄ちゃんが見えないのをいいことに俺は悔しそうに見つめる義兄ちゃんに視線を配らせる。 …負けないよ。 義兄ちゃんにはぜったい譲らない。 だってこの甘い時間は 俺たちにしか作れないから。 (お昼の空は蜜の味 END)
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