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「あなたって、本当にいい子ね。誰に似たのかしら。やっぱりアタシよね。」
「俺に決まってるだろう。なぁ?美優。」
両親はそう言った。
誉めてるというか何というか、……嫌な気持ちにはならないことは確か。
でも…
…私はいい子なのかしら?
学校でも……
「伊藤さんは誰にでも優しいし、親切だし、いい子よねぇ。」
と先生方。
「美優ちゃんはいつも元気で明るいよね。」
と同級生。
……あぁ、今、私は
『私はそんな人ではない』と叫びたい。
たしかに、周りが言うように私はそれなりに良い行いはしている。けど、私は典型的な『いい子』ではない。
家ではほとんど勉強してないし、宿題だって親に隠しながら遅れて出すし。
学校には校則違反の携帯とか漫画とかミュージックプレイヤーとか毎日持っていってる。
友達とかと喋っている時にムカつく発言をされると、いくら『友達』でも、心の中で『死んでしまえ』とか暴言を吐きまくっている。
外的な『自分』
内的な『自分』
この2つの差は
どこから来るものなの?
そんなこと、
自分がよく知ってるはずなのに……
……『自分』がわからない
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