理科教師(科学)

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―…いつも通り、 優香と別れて、教室に向かう。 まだ人気の少ない廊下は、 朝の優しい光に溢れている。 ―…ガラ 教室の扉を開けると、 いつもの朝とは違う声が、私に降ってきた。 「おお?遥じゃん。 オハヨー。 お前朝早ぇのな。」 「慶吾…おはよー 慶吾が早いとか珍しいなぁ。」 佐山慶吾 クラス委員長で、私とは中学からの友達。 「今日部活朝練なかったのに早起きしちまってな。」 「へー。」 「岩崎さん、おはよう。」 「おはよう、ございます…。」 加藤先生は、 いつもとなんか様子が違った。 「先、生」 「ん…?」 「昨日は…ごめんなさい…。」 「………ううん。 いきなり、あんな事言って…こっちこそごめんね。 忙しかった…?」 「いや、特に何もなかったんですけど…。」 ―…先生………? 先生、目、合わせてくれない… 怒ってる、のかな…。 「なになに、 二人昨日なんかあったのか?」 にょっきり、 慶吾が顔を出した。 「佐山、そういう事言わないっ。本当に何もないよ。」 先生が慶吾にデコピンする 「ぇえ―… 酷ぇな瞳ちゃんよ―…。」 「瞳ちゃん言うなっっ」 ―…先生、なんか 笑えてない………? *
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