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「二人は明日の放課後金工室に来てね。」
「へーい」
慶吾が眠そうな顔で答える
…金工室って、何処だ。
まあいいか、慶吾いるし。
技術科はまだパソコンしかやってないから金工室と木工室が何処にあるか知らないんだよね…。
この学校無駄にデカイし…。
「慶吾ぉ~
明日の放課後ゲーセンの約束してたじゃんか、クラス委員長だからって気ィ遣いすぎじゃない?」
HRが終わると、
『顔がいい慶吾』にギャルっぽい子がまとわりついていく。
「わりーわりー!
つーかゲーセンなんて言ってたっけ?俺は毎日部活行きたいんだけど(笑)」
「行ってくれるって約束したじゃーん…
体育祭の実行委員会なんて、
岩崎に任せりゃいいじゃん。」
…なんで私の名前出すのさ。
「委員会サボるくらい大丈夫だよー…。
ねぇ、慶吾~!」
「また今度な~。」
「えぇ~!」
―……
梅雨の空
もやもやした灰色の曇
しばらく…夕焼けは見られない
袋に入れた緑色のタオルを
ぎゅっと握った
…今日…放課後、返せるかな…
「ハイ、遥ー。
前向いて集中しようなー。」
べしっ
「だっっ」
松崎先生は容赦なく私の頭を教科書で叩いた
*
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