理科教師(生物)

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―…… 「タオル… 有難うございました…。」 「…あ…うん。」 「…今日は、実験じゃないんですね。」 「アロマディフューザー。 今からつけるよ。 …右か左、選んで。」 「え、何の…」 「いいから。」 「え…じゃあ、左…。」 「…ん…。」 カップの中に、アロマを入れる。 「左、ゼリニウム。」 アロマディフューザーのスイッチを押す。 「…いい匂い…ですね。」 「…座りなよ。」 「あ、はい…。」 アロマディフューザーから出る霧と ほんのり変わっていく色 「…先生…。」 「……?」 「昨日…私、泣きそうな顔してましたか……?」 「………。 …してなかったと思うよ。 …普通の人が見れば…。」 普通の……人…? 「…なんとなく、だったよ。 …何か抱えてるんだな、って」 「…凄いですね…」 「……泣かなきゃ、いけない」 「え……?」 「君は、泣かなきゃいけないと思ったから。」 泣かなきゃ、いけない 「我慢する必要なんてない。」 「……。」 「そう思ってるから。」 「…私…もう何年も、泣いてなかった…。」 「……。」 「泣いたら… いけないって……。」 「…話、聞こうか…?」 自分の事、自分の悩み 今まで誰にも言ったことなかった。 私の想い。
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