理科教師(生物)

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「お前…部活は?」 「入ってません、けど…?」 「そ、か…。」 「何、か…あるんですか?」 「いや……あ… …お前だったら… いいかな、と…。」 「……へ…?」 「これから」 カップを洗い終わり、私の前に座り直す。 「…暇な時…いつでも、 …ここに来てくれていい。」 「…い…いいんですか…?」 「嫌、だったら悪かった。」 「違い、ます…! …びっくり、で…。」 「………本当は、 …来ていい、じゃなくて… 来て欲しい、のかも。」 「!!」 「なんか… お前といると、落ち着く気がする。」 「私、も…。 そう、です………。」 「………有難う。」 ギィ、っと 先生が椅子から立って 「せん、せ………?」 「…えっと……ごめん。」 「へ?」 「……。」 先生が、時計を指差す。 短い針は 8時をまわっていた。 「わあΣ」 「送る。 …今日は、鞄あるな。」 「え、そんなっっΣ」 「嫌って言っても駄目。 もう外真っ暗だからな。」 「い、いいい嫌じゃない…!」 「……ふ…はっ(笑 …面白いじゃん…お前。」 「わ、笑わないで下さいぃΣ」 座っていた椅子を二人が運ぶ ただそれだけだったのに 席を立った瞬間 さっきまであんなに悲しかったのに 急に 胸がドキドキしてしまった。 ―…… 「大丈夫、他の先生にはバレてない…。 職員玄関から出よう、 靴もってきて。」 「はいっ」 夜の学校で はじめて見る真っ暗な昇降口 自分の下駄箱 ―……ひとりになったら、 なんだか、『今日』を色々思い出して。 無意識に笑顔がこぼれた *
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