理科教師(生物)

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「…お願い、します」 「…ん。道教えてよ?」 「はい、!」 先生の車 先生の匂い なんでだろ 助手席に乗っちゃってるんだって思うと 凄く不思議な感覚―…。 「次、左です。」 「ん。」 ―…もうすぐ、着いちゃう。 着いてほしくない もう少し、ここにいたい―… そんな気持ちが 心の中で先走った。 「明日…」 「へ?」 「明日の放課後は… 理科室行けそうにない…。」 「あ…。はい、私も…。」 体育祭の実行委員会あるし… ―…… 『来ても良いよ』 さっきの優しい言葉を思い出す ―… 着い、ちゃった。 「ありがとうございました。」 「…家、誰も居ないの?」 「はい。両親は仕事が…」 「………いつも?」 「はい。平気です。」 「そ、か。」 「今日は本当に、 有り難う、ございました。」 「いや…… こんな遅くなって、 本当…悪かった。」 「大丈夫、です! 嬉しかった、から…。」 「…ん。……じゃ。」 「さよなら。」 ―……先生の車を見送って 家に入って 手を洗って ソファーに倒れた 「………。」 今日は   まるで 魔法にかけられたようだった 私が私らしくなくなる …いや、 私が…本当の私になる そんな感じ まだ、不思議なくらいに―… 『ピロリン♪』
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