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目が覚めたら朝5時だった。
ザーーー
っと降りしきる雨の音に、
身体が起き上がった。
「…。」
思考が上手く回らない。
私、昨日帰ってきてから―…
携帯を握ったまま、
私はソファーに突っ伏してあのまま寝てしまったらしい。
…そういえば、昨日は父も母も帰ってこれないとか言ってたっけ。
携帯の画面を見て
開いたままの優香のメールに気付く
返信せずに寝ちゃった…。
優香、心配してるよね…。
了解の短文を打ち、
すぐ送って。
「風呂………。」
朝風呂。
ちゃぷ…
長い髪が湯船につかないよう結んで、浴槽に肩まで入る。
「…朝風呂、結構良いな。」
風呂の窓から、
青白い夜明けの光が細く入る。
その光に包まれるだけで、
なんだか落ち着けた。
外はどしゃ降りの雨だけどね。
ふと
朝 という単語が耳に残る
『朝の勉強会―…』
「また忘れてたΣ」
私はそそくさと風呂から出て、朝食の準備をはじめる事にした。
せっかく早く起きたんだし、
行くだけ行ってみよう。
もしかしたら加藤先生は今日からなんて考えてなくて、
居ないかもしれないけど。
ざばーーー
って。
雨がそんな音に変わる。
「…傘だけで大丈夫かな…?」
苦いココアを飲み干して、
家を出る準備。
鞄をビニール袋に入れ耐水措置をとった。教科書濡れたら嫌だし。
下駄箱を漁ったけどカッパは出てこない。
流石に、ないか…。
玄関を開けると、
滝のような雨が降り注いでいた。
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