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ざばーーーーー
「凄いなぁ…。」
視界がはっきりしないほどの雨
…制服、春服にしたけど、寒い…。
まだ朝早いから、
人通り少ないな…。
商店街の中を通っていく時
本屋の屋根の下で
1人立っているお爺さんを発見
…なんか、困ってる?
「何か…お困りですか?」
ほっとけなくて
つい声をかけてしまった。
「いや…いきなり降ってきたもんじゃから…傘がなくてのぉ…。」
「えΣ」
雨降りだしたのって私が起きた時だよね?
「ずっとここに…!?」
「そうじゃ、な。」
「か、身体冷やしちゃいます…!」
「うむ………。」
「傘…あげます…!」
「え!?」
びっくりしたお爺さんの手に傘を持たせて、
私は滝のような雨の中を走りぬけた。
冷たさを忘れるほどに、全力で
全身びしょ濡れになりながら、全力疾走で学校に向かった。
―……「は、はぁ、っ…。」
昇降口で、床にばたりと倒れ込む。
「…はっ…はぁ……ん…。」
力が抜けて、そのまま寝転がった。
空は、相変わらずのどんよりした色で、私を嘲笑っている。
「い、いいい岩崎さん!?」
頭上で、声がした。
「大丈夫!?」
「加藤先生…
おはよう、ございま…」
「…ッッ///!!」
「…加藤先生?」
先生が、
いきなり顔を赤くするから
何かと思って、起き上がる。
「だだだだだ駄目っ///!
ごめ、
何も見てないから//!」
と、後ろを向く
「?」
自分のずぶ濡れの制服は、
水によって透けていた。
『ああ、そゆこと…。』
「大丈夫ですよ先生。
私別に気にしませんし、
訴えたりもしな」
「僕が
僕が…気にするから…///」
…そう言って、顔を腕で隠しながら、
ポケットからハンカチを出して、私に差し出す。
「あ、有り難うございます…」
「…~っ///」
青いなあ、加藤先生…。
「ごめんなさい先生。
昨日言ってた、『朝の勉強会』、今日からやるのかな?と思って、やたら早く来ちゃいました。」
「ご、ごめん…。
ちゃんと日時決めなかったもんね…。」
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