22人が本棚に入れています
本棚に追加
そこへ
「肩…震えてる。」
「え?」
「あ、高科先生…」
バサッッッ
高科先生は白衣を脱ぎ、私に被せる。
「シャワー室開いてるから、行け。」
め、命令系!?
「風邪ひく…早く。」
温かい手で、いきなり腕を引かれて
「は、はいぃぃ」
「加藤先生、昇降口閉めて。
今日は休校になったから。」
「え!?」
びっくりしてる加藤先生を放置し、高科先生は私を連れていく。
「高科、先生」
「ん?」
「今日、休校なんですか?」
「暴風警報が解除される見込みがなくなった。」
「そ、そうなんですか。」
「…遥。」
どきんっっ
「は、はい………?」
「朝、風呂入った?」
「あ、はい…。」
「風呂入ってから外で雨に打たれるなんて、風邪引きたいですって言ってるみたいな自殺行為。」
「う゛…ごめんなさい。」
保健室の隣の部屋の鍵を開け、
シャワーの準備を始める。
「まあ、遥の事だから…
持ってた傘を
傘なくて困ってた老人にでも貸して来た………でしょ?」
「図星…で…す…」
「脱ぎな、服。
俺、出てくから。」
ばたん
―…なんか…
高科先生、怒ってた?
ていうか、なんでお風呂入ったって分かったんだろう…。
「遥。」
「は、はい!?」
「ドアの前にジャージ置いとく。身体温まったら着替えて。」
「あ、ありがとうございます」
…お母さんみたい(笑)
なんだかんだ、あるけど。
無表情だけど、実は
優しくて、面倒見がいい、
だけなんだな―…。
*
最初のコメントを投稿しよう!