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ジャージを着て、
濡れた制服、使ったタオルを抱え、
シャワー室を出た。
―…静かな廊下
…先生は…職員室かな…
ガラ
「失礼、します。」
「お、かえり、岩崎さん。」
―…加藤先生、
なんかキョドってる?
まだずぶ濡れだった事気にしてるのかな…。
―…少し前 職員室
「高科先生…。」
「ん?」
「…岩崎さん、と、
知り合い…なんですか。」
「ん…まぁ。」
「…親族か…何か…?」
「全然違うけど…
…なんで…?」
「だって…よ、呼び捨て…。」
「…まだ顔が赤いよ。
青いねぇ、加藤先生は。」
流された
高科先生は無表情のまま、休校のお知らせメール配信の文を作っている。
「青い…ですよ…。」
「………?」
「僕…男ですよ…
岩崎さんのあんな姿見たら、
やっぱり、身体が」
「そのへんにしときなよ。」
「……え…」
「遥は、そんな風に言われても嬉しくないと思うけど?」
「ズルい……。」
ズルい
ズルい
『送信完了。』
パソコンの画面にその文字が出ると、
高科先生は椅子の向きを変え、僕の目を見る。
「高科先生だって……
欲情したんじゃないですか?」
「欲情て……。」
「だって、岩崎さん美人だし、髪綺麗だし、スタイルいいし」
「分かった分かった。」
「…何がですか!」
「要するに加藤先生は、
遥の事が好きなんでしょ?」
「………。」
「加藤先生ー?」
「…ッ///僕…なんて事を…」
「………。」
「ごめんなさい高科先生//!
さっきの発言忘れて下さい!」
「…(笑」
「た、高科先生…?」
僕はこの日―…
初めて高科先生の笑顔を見た
「可愛いね、加藤先生(笑」
「かわ……ッッ///Σ」
その笑顔の裏に
どんな感情があったかなんて
その時は考えもしなかったけど
*
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