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「ぇぇぇ…
なんて親だ…」
「ははははは。(棒読み)」
「…お兄ちゃんの仕事は…
夜遅くになったりしないの?」
「ん―…たまに、遅い?」
「お兄ちゃん…」
「んぁ?」
「なんの仕事してるかぐらい、もうそろそろ教えてよ―…。」
私が少し寂しそうな目をしてるのを悟ったのか、
お兄ちゃんは観念したように、私の頭をぽんぽんして。
「俺、高校で教師やってんの。っつても、まだなりたてだから、担任とか持ってる訳じゃねーけどな。」
「へぇ…意外だね。」
「意外か?」
「だってお兄ちゃん、
口悪いし、勉強教えるって…」
「あ゛?
兄に暴言吐くのはこの口か。」
いきなりほっぺをつねられる
「ふいひゃへん(すいません)」
久し振りの晩餐(というか昼飯)を、二人で作りながら、色んな話をした。
「…まだ6月だよね?
なんでこんな変な時期に、
仕事飛ばされちゃったの?」
「おー、それがだな。
前居た学校で、4月半ばぐらいに生徒に告白されて。」
「えΣ」
「勿論教師としてちゃんと断ったんだが、なんかその子がメキメキ病んじまってな。」
り、リアルだなあ…
「ペットの鳥殺したり、リストカットしたり………
…俺がいなければ、
その子は元の自分に戻れる…
って、校長が思って。
俺はかっ飛ばされてきたと。」
「そっ、か………。」
「教師とは絶対やめとけよ。」
「えっ………」
なんでいきなり
そんな真面目な顔、するの―…
*
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