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―……
「おっはよー!」
「おはよ。」
瀬川優香。
私の友達。
「はぅあ―…やっとテスト終わったと思ったら個人面談なんて、ドMじゃない限り乗り越えられないよ―…。」
「優香はMでしょ。
大丈夫だって、そんな頭悪い訳じゃないんだし。」
「え、Mかな、やっぱり。」
「だと思う(笑)。」
テンションの高い優香との登校は、いつも和やかで
あんまり友達が多くない自分としては、有意義な時間。
「最近、部活、どう?」
「あんまりパッとしないな―…。
先輩が怪我しちゃって、
今日みんなでお見舞いに―…」
優香はバスケ部で、
身体も華奢で、何より、可愛い。
こんな子と友達なだけ、私は恵まれてるんだと思う。
「じゃーね。」
「バイバイ。」
教室の前でそう言って手を振って別れる。
彼女とはクラスがだいぶ離れているから。
―……ガラララ…
重たい扉を開けると、
そこにはいつも
「おはよう、岩崎さん。」
「おはようございます…。」
先生。
先生は、朝会議のある日以外はいつも1番に教室にいる。
そして2着が大体私だ。
―……沈黙
私達の朝は、こうして始まる。
*
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