あの日、あの時。

“Ｋ”との始まり

――――――１時間500円。

この500円で買った、１時間という空間。

店内に案内されるとすぐに、キャッチしてきたホスト１と２が接客してくれた。

あたしの隣にはホスト１が座った。

名前はＫ矢。

兄弟は全部で４人。

お姉ちゃんが居て、弟と妹がいる。

Ｋ『俺のお姉ちゃんね、雑誌のモデルもしてたくらい可愛かったんょ！俺ね、お姉ちゃん大好きだったんょ（笑）』

梨『何で過去形なの？』

Ｋ『もぉおらんけ。』

梨『……？』

Ｋ『うちの家庭ちょっと複雑なんやけど…、それがあったから余計かな……俺と歳離れとるんやけど、親父に結婚反対されたら駆け落ちみたいに海外に２人で行きよった（笑）』

梨『えぇー！！寂しくないの？』

Ｋ『寂しいょ！俺と仲良かったけん、余計に捨てられた気がした（笑）』

あたしにも姉がいる。

もしある日突然いなくなったら……

無理。考えられない。考えたくない。