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「桜どうしたの?あいつに告白でもされた?」
「ええ?どうしてそれを?」
いきなりやってきてどうしてそんな事が分かったんだろう?
「やっぱり。あいつが桜の事が好きなのはずっと前から分かってたからね」
「そうなんだ、私全然知らなかった」
「桜は鈍感だからな~」
私はゆきちゃんによく鈍感だと言われる。
「ええ?そんなこと無いよ」
「いぃや桜は鈍感だ~」
「そんなことないと思う」
「じゃあもう1つ良い事おしえてあげようか?」
何を教えてくれるんだろう。
内心ドキドキしながら聞き返す
「何を教えてくれるの?」
「桜が好きな人をあててあげよう」
「ええ?」
私の好きな人ってまさか・・・
「鮎川大輔の事が好きでしょ?」
「どうしてそれを?さっき葵くんにも言われた」
鮎川くんの事を好きなのは当たってはいるけど誰にも話した事は無い。
1番の親友のゆきちゃんにだって恥ずかしくて言い出せなかったのにどうして2人とも知っているんだろう?
「鈍感な桜は自分がどれほど大輔のこと気にして見てるか気づいてないんだよね~?」
ついさっき葵くんに言われ今またゆきちゃんにも言い当てられさすがに言い返す言葉が無い。
やっぱり鈍感なんだろうか。
そんなことを考えているとなぜか泣きそうになってきた。
悲しいわけでもないし言い当てられて怒ってるわけでもない。
でも何故か泣きそうになる。
そんな私の反応に驚いたのだろう、ゆきちゃんが慌てて謝ってきた。
「あはは、そんな顔しないで、ごめん、ごめん。もう言わないから」
「もうゆきちゃんなんて知らない」
怒ってるわけじゃないけどなんとなくそんな言葉がでてきた。
「ごめん。桜、怒んないで」
ゆきちゃんが焦っているのが分かってなんだか可笑しくなってくる。
「ふふ、怒ってないよ。でも私ってやっぱり鈍感なんだね」
「まぁその話しはもういいじゃない」
そう言ったゆきちゃんだけど、まだ何か言いたそうにも見えた。
「うん。そうね。その話はもうおしまい」
何か言いたそうなのが少し気になるけど今日は疲れたのでこのままこの話を終わらせる事にした。
「じゃ、ゆきちゃん帰りましょうか」
そう言って私とゆきちゃんはお互い自転車に乗り校門を出て家路についた。
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