1人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ桜は買い物係でもいい?」
「うん。でも買い物係は文化祭初日の午前中喫茶店に出ないとダメだよ?」
「ま~仕方ない、買い物は楽だからね、それにどうせ初日の午前中だけでしょ?あとは自由だしいいじゃない」
「そうだね、その後ゆっくり見てまわれるから途中で何かするより逆にいいかもね」
「うん」
少し離れたところで葵くんと鮎川くんが話しをしている。
鮎川くん達は何をするのか少し気になる。
と思っているとゆきちゃんがいきなり葵くんに声をかける。
「なんだよ彰弘(あきひろ)!こっちをチラチラ見て。桜のことがそんなに気になるのか?」
ゆきちゃんが葵くんにとんでもない事をいいだした。
「はぁ?いきなりなに訳の分からないこと言ってんだよ」
「あはは、焦ってる焦ってる」
「うるせぇ」
葵くんより私が焦る。
とにかくゆきちゃんを止めなければ。
「ゆきちゃん!そんなこと言っちゃあダメだよ」
「あはは。ごめん、ごめん」
私は鮎川くんが気になってそっちの方を見る。
すると鮎川くんもこっちを見ていて思わず目が合ってしまう。
私は照れくさくなって慌てて目をそらし葵くんの方を見て話しかける。
「葵くんは何をするの?」
「今、大輔と相談してたんだけど買い物係にしようって話がまとまったところなんだよ」
びっくりしたように鮎川くんが小声で葵くんになにかを話してる。
慌てたような鮎川くんの態度が気になるけどこの距離では何を言ってるのか分からない。
でも鮎川くん達と一緒というのは嬉しい。
「そうなんだ、じゃあ私達と一緒ね。私達も今、買い物係にしようって話してたの」
「そうなんだよ、偶然だけど一緒だね、一緒に買い物係しようよ」
「何が偶然だよ。私達の話に聞き耳を立ててたくせに」
.
最初のコメントを投稿しよう!