第一章

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「ぐっ、それを言われると…… っていうか、さりげに俺のカツサンド奪うなよ。」 「いいだろ別に…… っていうか、オマエは食い過ぎなんだよ。 自重しろ、カツサンドの代金は払うから。」 机の上にはこれでもか、というくらいパンがある。 ちらほらとおにぎりが混じってはいるが、ほとんどがパンだ。 ――これ、昼飯だよな? 「これくらい食わないと、パワー出ねぇんだよ! 日々新たな情報を仕入れる為には、自分の足が頼みの綱だからな!」 言うが否やあんパンを包みから開き、頬張る コイツ、相川 颯太は情報屋(自称)だ。 自らのことを黒須野のデータバンクと言うくらいだ。 まぁ実際、コイツの情報収集能力は凄まじく、信憑性も高い。 というのも暇があればどんなに時間が短くとも情報収集に費やす。 しかもネットや本には頼らず、コイツの言った通り、自らの足で集めている。 時々情報源が怪しい物もあるが…… 「ちなみにこれ、いくら?」 「んぁ? かふはんどか?」 咀嚼しながら喋るな、行儀悪い…… 「いや、これ全部で……」 「……んくっ、 あぁ、ええと1800円くらいかな?」 ――食い過ぎだ。 オレは昼飯にこんなにかけたくない――。
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